精神科の入院医療

身の安全を確保しながら集中的な治療を受けられる
病気・障害
この記事は精神科専門医・指導医、精神保健指定医、精神保健判定医に監修されています
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
松本俊彦先生

入院の目的はさまざま

  • ストレス環境からの保護
  • 集中的な治療
    • 精神療法、作業療法、レクリエーション
  • 見守りによる安全確保
  • 社会適応のための作業プログラム
  • 栄養バランスのよい規則正しい食生活
  • 睡眠リズムを整えられる
  • 支援を利用したストレス環境や状況の軽減や調整

入院の期間

だいたい1〜3カ月くらい

参考:日本精神科病院協会HP 精神科病院入院治療の解説(標準的な治療法) (2021-0-15)

大きく分けて3つの入院形態がある

  • 任意入院
  • 医療保護入院
  • 措置入院
入院の種類 入院の決定 費用 病棟への出入り 退院の決定
任意入院 医師が入院は必要だと考え
本人も希望したとき
3割負担 基本自由 本人の希望
医療保護入院 精神保健指定医が
入院は必要だと考え
家族等が同意したとき
3割負担 許可が必要(外出禁止) 医師の判断
措置入院 2名以上の精神保健指定医が
入院しなければ自分や他人を傷つけるおそれがあると考えたとき
都道府県・政令指定都市が全額負担 許可が必要(外出禁止) 精神保健指定医の判断

費用

  • 任意入院、医療保護入院では高額療養費制度が利用できる
  • 生活保護世帯の方は無料

詳細

  • 入院中の処遇や治療に納得できないときの対処
    • 主治医との話し合っても、処遇や治療がおかしいと思うときの連絡先は3つあります。
      手段1:精神医療審査会に処遇改善請求・退院請求をする
      ● 精神医療審査会は医師、法律家、有識者等で構成されている
      ● 必要に応じて病院に対して指導をしてもらえる
      ※ 審査に1か月以上かかる
      ● 費用:無料
      ● 連絡手段:電話, 手紙
      ● 連絡先:病院の公衆電話、入院するときにもらう書類に書いてある
      手段2:近くの法務局に助けを求める
      ●人権擁護に関する行政機関の職員
      ●連絡手段:電話 / 手紙 / 面会
      ●費用:無料
      以下のようなことができます
□相手方に対し,人権侵害行為をやめるよう注意してほしい
□相手方との話合いを仲介してほしい
□被害を回復する方法等について助言してもらいたい
□専門に取り扱っている機関を教えてほしい
□その他(具体的にお書きください)
出典:法務省HP "人 権 侵 犯 被 害 申 告 シート"

手段3:弁護士を呼ぶ
●弁護士
●連絡手段:電話 / 手紙 / 面会
●費用:お金がかかる
※無料弁護士相談ができる制度があります。詳しくは下記詳細を参考にしてください。

支援機関職員からの申し入れで無料出張相談ができる制度
※本人からの申し込みはこの制度は適応されません
申し込み窓口:お近くの法テラス事務所担当窓口を探す

参考:法テラス "福祉機関等の支援者が援助申込みを行う新たな出張法律相談(支援者申込型出張相談)" (2021-03-30)
参考:法テラス "法律相談の申入れ方法 ~特定援助対象者用~" (2021-03-30)
参考:法テラス "特定援助対象者事業の概要" (2021-03-30)

民事法律扶助制度出張相談」(法テラス)

弁護士・司法書士による出張無料相談をうけることができる制度
申し込み窓口:お近くの法テラス事務所担当窓口を探す

民事法律扶助出張相談
以下(1)~(4)に該当する方で、既設相談場所へアクセスすることが困難な場合は、出張相談を利用できる場合があります。
ご利用をご希望の方は、法テラス神奈川までご相談ください。
(1)65歳以上の高齢者
(2)心身に重度又は中度の障害がある方
(3)既設相談場所まで公共交通機関を利用して往復3時間以上を要する地域に居住する方
(4)その他やむを得ない事情がある方
出張相談は、対象者の居住場所のほか、 対象者が入院又は療養をする病院その他の施設、福祉施設等、 公共機関の施設などの場所で実施することができます。
利用者・関係機関の皆様から、ご希望の契約弁護士等の事務所に直接お電話いただき、出張相談の手続をとることもできます。
出典:法テラス "出張相談をご希望の方へ" (2021-03-30)

利用手順


Step.1 注意点を確かめる

Step.2 利用条件を確かめる

Step. 3 主治医か住所地の精神保健福祉センターに問い合わせる

記事で紹介した支援

  • 精神科入院医療

利用するには

■【日中なら】こころの健康相談統一ダイヤル( 電話:0570-064-556 )

自分で探すことなく、発信地の付近の「心の健康電話相談」などの公的な電話相談事業につながります。取るべき対応や緊急受診ができる近くの医療機関を案内してもらうことができます。 
※通院中の精神科がある場合は、まずは担当医に相談してください。

■【夜間休日なら】夜間休日精神科救急医療機関案内窓口

この記事を監修してくれた先生
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
松本俊彦先生
1993年佐賀医科大学卒業。神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経センター精神保健研究所の司法精神医学研究部専門医療社会復帰研究室長、同 自殺予防総合対策センター自殺実態分析室長、副センターなどを経て、2015年より現職。2017年より国立精神・神経医療研究センター病院薬物依存症センター センター長を併任。日本精神科救急学会理事、日本社会精神医学会理事、日本学術会議アディクション分科会特任連携委員。 主著に、「自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント」(講談社, 2015)、「もしも「死にたい」と言われたら~自殺リスクの評価と対応」(中外医学社, 2015)、「薬物依存症」(筑摩書房, 2018)、「誰がために医師はある~クスリとヒトの現代論(みすず書房, 2021)などがある。