今すぐ「死にたい」ときの連絡先(通院先がない場合)

抑えきれない強い衝動・混乱が生じたときの緊急連絡先
窓口
この記事は精神科専門医・指導医、精神保健指定医、精神保健判定医に監修されています
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
松本俊彦先生

病院まで行く余裕がないとき

強い感情や抑えきれない衝動から、ひとりで病院まで行く余裕がないときは、迷わず警察救急車に助けを求めてください。
かけつけてくれて、精神科の救急外来まで送ってもらえます。
救急外来では、応急処置を受けられます。必要があれば、入院もできます。

これから実行する → 警察(110)

  • 目の前に手段があり、今にも実行してしまいそうなとき
  • 頼れる人が近くにいないとき
  • 身内に頼りたくないとき など

このようなときは、迷わず警察(110)に助けを求めてください。
「今、自分を傷つける強い衝動が抑えきれず困っています。」 「自力で病院を受診する余裕もないほど混乱しています。」

すでに実行してしまった → 救急車(119)

  • 血が出ている
  • 身体に毒になるようなものを飲んだ
  • 後遺症が残るような行為をした など

身体の治療も必要なときは、救急車(119)に助けを求めてください。

参考:日本精神科救急学会 "精神科救急医療ガイドライン2022" (2023-03-03)

病院まで行く余裕がありそうなとき

同居者が頼れる場合などに、緊急受診するための連絡先を紹介します。

【日中に調子を崩したなら】

  1. こころの健康相談統一ダイヤルへ電話
    自分で探すことなく、発信地付近の「心の健康電話相談」などの公的な電話相談事業につながります。

【夜間休日に調子を崩したなら】

  1. 精神科救急情報センターに電話
    「1.こころの健康相談統一ダイヤル」が受付時間外だったときは、精神科救急情報センターに問い合わせてください。

【上記の電話がつながらない、あるいは 症状が悪化してきた】

  1. 警察署(110)または救急(119)
    どちらでも対応できます。 迷わず必ず助けを求めてください。
    「母がいま自殺すると言っています。通院先の精神科 / こころの健康相談統一ダイヤル / 精神科救急情報センターに電話がつながらないため連絡しました。いますぐ来てください。」

※身近に頼れるひとがいる場合、この記事の一番上に設置されているシェアボタンから この記事を共有してください。 事前に情報を共有しておくことで、万が一に備えることができます。

治療の流れ

電話で指定された精神科医療機関へ
救急車、パトカー、保護者の車などで向かいます。
血圧等の測定・検査
診察
治療・措置
内服薬か注射による薬の投与が行われます。
背景にある悩み・状況の聞き取り
(例)人間関係、身体疾患、職業、お金に困っていないか、家族の病気など
必要があれば入院
入院治療の目標などの治療計画を話し合います。
※入院の必要性がない場合は、通院での治療計画を話し合います。
ケースマネジメント
使える支援制度や支援機関との連携が行われます
入院の必要性がなくなったら退院
退院後は通院治療をする

利用の目安

自分を傷つける衝動を抑えきれないと感じたとき

詳細

  • 悩みが深刻なあなたへ

    • 家庭、学校、職場、社会。
      周りの期待にこたえようと無理をしすぎていませんか?
      「死にたい」ほどの過度なストレスを感じるのなら、相談を仕事にしている支援者が力になるかもしれません。
      (例) 精神科・心療内科の医師 / 臨床心理士・公認心理師 / 精神保健福祉センターの相談員 / NPO法人や相談支援の現場で働いている職員 など
      支援者を見つけるメリット
      ◯ 言葉にして話すことで悩み・困りごとが整理される
      ◯ 相手に伝える過程で、周囲との関係性や環境について客観的に考えられる
      ◯ 相手が知っている対処方法をアドバイスしてもらえる
      ◯ 場合によっては、「頑張らないとひとりではできないこと」を手伝ってもらえる
      ◯ 定期的に気にかけてもらえる
      よい支援者の特徴
      ◯ 自分の気持ちを話したときに、怒ったり、悲しんだり、不機嫌になったりしない
      ◯ 抱えている悩みを否定してこない
      ◯ これまで自分だけで抱えてきた悩み・困りごとを一緒に解決しようと考えてくれる
      ◯ 専門領域の解決方法(治療法・支援制度)をたくさん知っている
  • 「この人なら頼れる」と思える支援者を探そう

    • 家族や友人などの身近な人は、心理的な距離が近すぎて、いつでも適切な対応をしてくれるとは限りません。
      困ったときに力を貸してくれる支援者を一人でも多く見つけておくことで、特定の人から受けるダメージに振り回されるリスクを減らせます。
      悩みが深刻なほど、事情を言葉にして説明するのがつらいものです。もしかしたら否定的な反応をとるような人もいるかもしれません。でも、探し続ければ 「この人なら頼れる」と思える支援者は必ず見つかります。 一緒に解決のために動いてくれる支援者との出会うだけでも、本当に気持ちが楽になります。
      とはいえ、相手に期待しすぎてしまうと、運悪く何かあったときに傷つくリスクが高まってしまいます。「信頼できそうな支援者を見つけるまで、まずは何人か試してみよう」くらいの心持ちで、協力してくれるひとを探してみてください。
      参考: 松本俊彦 (2009)『自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち』 日本評論社
      参考: 松本俊彦 監修(2018)『自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド』 法研
      参考:SYNODOS "「いのちの大切さ」を説くだけでは子どもは救えない 精神科医・松本俊彦氏インタビュー" (2021-05-05)
  • 119番で聞かれることの例

    • ◯ 火事か救急か
      「119番消防署です。火事ですか?救急ですか?」
      「救急です」
      ◯ 救急車が向かう住所
      「住所を教えて下さい」
      「○区○町○丁目○番○号○○マンション○号室です。玄関先に自動販売機があり、向かいの道路にクリーニング屋さんがあります。」
      ◯ 今の状況
      「どなたが、どうされましたか?」
      「私です。今にも自分を傷つける衝動が抑えきれません。自分で受診するほどの余裕はなく、今すぐ対処してもらえないと実行してしまいそうなので、すぐに病院につないでほしいです。」
      ◯ かかりつけの医療機関の有無
      「掛かりつけのお医者さんはありますか?」
      「ないです」
      ◯ あなたの情報
      氏名、電話番号など
      「名前は〇〇〇です。電話番号は〇〇-〇〇〇〇です。」参考:日本精神科救急学会 "精神科救急医療ガイドライン2022" (2023-03-03)
      参考:相模原市 "自殺の危機にある人を救うには" (2023-03-03)

記事で紹介した支援

  • こころの健康相談統一ダイヤル
  • 精神科救急情報センター
  • 119番
  • 110番

利用するには

■日中→こころの健康相談統一ダイヤル 電話:0570-064-556

自分で探すことなく、発信地の付近の「心の健康電話相談」などの公的な電話相談事業につながります。取るべき対応や緊急受診ができる近くの医療機関を案内してもらうことができます。

■夜間休日→精神科救急情報センター

  1. 「Googleで検索する」ボタンを押す
  2. 「精神科救急情報センター 電話番号」というキーワードが入力された状態で検索される
  3. 住所地を検索ボックスに追加で入力する
  4. 検索ボックス右の「検索」アイコンを押す
  5. 担当窓口の情報が表示される

※自治体(都道府県、市区町村)によって対応できる時間帯が異なります
※見つからなかったときは、以下から連絡先と受付時間を確認してください
参考:厚生労働省 "夜間休日精神科救急医療機関案内窓口(H26)" https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11357923/www.mhlw.go.jp/kokoro/support/pdf/ercenter.pdf

上記の電話がつながらない / うごけない

→救急車(119)をよぶ
あるいは
→警察(110)に助けを求める

参考:警察庁インターネット安心・安全相談HP "ウェブページに自殺の予告や自殺を呼びかける書き込みを見つけた" (2021-03-25)
この記事を監修してくれた先生
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長
松本俊彦先生
1993年佐賀医科大学卒業。神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経センター精神保健研究所の司法精神医学研究部専門医療社会復帰研究室長、同 自殺予防総合対策センター自殺実態分析室長、副センターなどを経て、2015年より現職。2017年より国立精神・神経医療研究センター病院薬物依存症センター センター長を併任。日本精神科救急学会理事、日本社会精神医学会理事、日本学術会議アディクション分科会特任連携委員。 主著に、「自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント」(講談社, 2015)、「もしも「死にたい」と言われたら~自殺リスクの評価と対応」(中外医学社, 2015)、「薬物依存症」(筑摩書房, 2018)、「誰がために医師はある~クスリとヒトの現代論(みすず書房, 2021)などがある。